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岸部:今回の演奏会のプログラムは、前半の各自のソロ、後半のアンサンブル共にテーマ「ゆめみる〜Dreaming〜」を基に選曲されています。そこで、出演者それぞれにソロ曲の選曲の理由や、聴きどころなどを伺ってきました!対談式(?)で、お送り致します。

まずはじめに、ファゴット奏者、山﨑璃子さんにお話をお伺いします。よろしくお願いします。

 

 

山﨑:よろしくお願いします。

 

 

岸部:それでは、今回山﨑さんがソロで演奏される曲を教えてください。

 

 

山﨑:ウェーバー(※)作曲の「アンダンテとハンガリー風ロンド」を吹きます。(※C.M.v.ウェーバー=ロマン派初期のドイツの作曲家)

 

 

岸部:ファゴットの定番のレパートリーですね。今回は、テーマ「ゆめみる~Dreaming~」に沿った選曲をしていただきましたが、

そのテーマとはどのような関連性があるのですか?

 

 

山﨑:曲自体には、夢、幻想的といった感じはないのですが、「自分の夢」という捉え方をして、この曲を選びました。

 

 

岸部:自分の夢…、というと将来の夢、目標のような?

 

 

山﨑:そうですそうです。

 

 

岸部:なるほど。では、いつか演奏したい!と思っていた曲を、今回初挑戦で選んでみたのでしょうか?

 

 

山﨑:いえ、実はもう何度か演奏していて十八番になりつつある一曲です。

 

 

岸部:そういえば前にぼくも一緒に山﨑さんとこの曲やったことありますね(笑)

 

 

山﨑:そうですよ(笑)この曲が私の夢…ということについですが、まず、ファゴットとの出会い…からお話ししなくてはいけません。ファゴットを始めたのは中学時代吹奏楽部に入り、顧問の先生に勧められたのがきっかけです。希望楽器ではなかったですし、ファゴットが吹奏楽部に導入された初めての年だったので、同じ楽器をやっている先輩もいない…。となると、独学でやるしかありませんでした。「目標となる音」がイメージできなかったことで苦しい思いをしました。

 

 

岸部:部活とかって、はじめは身近な人が目標になりますもんね。あの先輩みたいな音が出したい!とか。

 

 

山﨑:そうです。なんとかイメージを持つために参考にしたのが、オーケストラの曲を聴くことでした。オーケストラの編成にはファゴットも入っているので。曲を聴きながら、「ここはファゴットが演奏しているのではないか?」という音探しから始まり…。その勉強方法に慣れてきた頃に、顧問の先生から「ファゴット協奏曲(※)とか普通にあるよ」と言われて、初めて聴いたのが…

(※協奏曲=独奏者あるいは複数の独奏楽器と管弦楽のための楽曲。ピアノ協奏曲であればピアノと管弦楽、ホルン協奏曲ではホルンと管弦楽とで演奏される。イタリア語でコンチェルト)

 

 

岸部:ウェーバーのアンダンテとハンガリー風ロンドだったと。

協奏曲のソリストのきらびやかさに驚いたのではないかと思いますが、この曲を初めて聴いたときの印象を覚えていますか?

 

 

山﨑:はい。この曲ははじめがアンダンテでゆったり歌われ、後半ではがらりと雰囲気が変わって、軽やかでコミカルに書かれています。ファゴットは、こんなに色々な表現できるのかと、大きな可能性を感じました。こんなことがしてみたい、という夢も同時に広がったというか。

 

 

岸部:ではこの曲は山崎さんの原点にして、いつまでも夢を広げていけるような曲なのですね。

 

 

山﨑:とても思い入れの深い曲なので、大切な場では必ず演奏したいと思っています。今回の演奏会でも、私が感じてきたファゴットの魅力をたくさんお伝えできたら嬉しいです。

 

 

岸部:願わくは、ファゴットファンの方がどんどん増えていくことも夢見て…ですかね!お話をありがとうございました。

 

 

山﨑:その通り!ありがとうございました。

 

 

 

山崎さんの夢のはじまりである、C.M.v.ウェーバーの「アンダンテとハンガリー風ロンド」

どんな音色が出てくるのか、どうぞお楽しみに!

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