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岸部:さて次の演奏曲紹介は、只今音楽の都ウィーンで研鑽を積まれているソプラノ歌手の石川彩音さんです。よろしくお願いします。

 

石川:よろしくお願いします。

 

岸部:石川さんは今回ソロで二曲演奏してくださいますが、曲目を教えてください。

 

石川:ヨハン・シュトラウス作曲のオペレッタ「こうもり」より、「侯爵様

あなたのようなお方は」。二曲目にジャック・オッフェンバック作曲の、こちらはオペラ「ホフマン物語」より「生垣に小鳥たちが」を歌います。

 

岸部:日本では「こうもり」の序曲なども有名ですね。オッフェンバックで有名なのは、何と言ってもオペレッタ「天国と地獄」でしょうね。運動会でよく聴きます。今回の「ホフマン物語」はオペレッタではなく、オペラの位置付けですが、オッフェンバックはオペレッタの原型を作った作曲家、オペレッタ作曲家などとも言われています。二曲ともそういった「面白い」要素に溢れた作品だと思いますが、曲についてお聞かせいただいてもいいですか?

(オペラとオペレッタの違い/主に扱う題材によって分けられる。オペラは悲劇で終わるものが多いが、オペレッタは基本的にはハッピーエンド。またオペラが貴族の楽しみであったのに対し、オペレッタは庶民にも楽しめるようにコメディ形式で書かれている。愉快なものが多い。オペレッタはミュージカルの前身とも)

 

 

石川:はい。一曲目はアデーレという小間使いのキャラクターが歌う曲です。小間使いというと、こうお淑やかな慎ましいキャラクターを想像するかもしれませんが

このアデーレはなかなか天真爛漫というか、自由奔放な娘の役でして、曲の歌詞も、「自分がいかに素晴らしいか」をたくさん歌っています。「私は華奢だし、優美なのですわ」「私のギリシャ風の横顔は神様がお与えになったもの。それだけでお分かりにならないなら、全身をご覧になって!」みたいな。

 

岸部:こんなに素敵なのだから小間使いでいるのはおかしいから、と「もっと周りをご覧になるべきですわ」と侯爵様に「ご忠告」してしまうくらいなのですね。この曲は「笑いの歌」とも言われるそうですが、その所以は?

 

石川:笑い声がそのままメロディーになっているからです。歌詞の中に「ha ha ha」とちゃんと書かれていて、愉快な曲です。

 

岸部:では天真爛漫な石川さんのアデーレ、楽しみにしております。二曲目に歌われる曲についてもお願いします。

 

石川:二曲目を歌うキャラクターが、オリンピアという娘なのですが、なんと彼女はゼンマイ仕掛けの人形なのです。よく出来ていて人間のようなので、主人公の詩人ホフマンは彼女に恋をしてしまいます。

 

岸部:自由な小間使いの後は、人間ですらなくなってしまいました!色んなキャラクターに溢れているのが、オペラやオペレッタの面白いところでもあります。ゼンマイ仕掛けのの人間ならではの面白さもあるのでは?

 

石川:そうですね。よく出来ているとはいえ、やはり機械の人形です。動きもカクカクしていたり、曲のメロディーも伸びやかなものではなく、どこかぎこちない感じもあります。そしてゼンマイ仕掛けですから、ねじが回りきってしまうと…。

 

岸部:どうにかもってもらいたいものですね。

 

 

見た目に反して、ご飯をたくさん食べる石川彩音さん。演じるキャラクターもたくさんで、石川さんの色々な面を楽しんでいただけると思います。

なんと今回の演奏会では、ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語、日本語とたくさんの言語で歌われます。どうぞ、お楽しみに!

 

 

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